令和2年高岡口腔臨床カンファレンス

 

令和2年2月10日(月)19:30より厚生連高岡病院にて開催されました。

演題1、口腔感染症の抗菌薬の適正使用について

演者 厚生連高岡病院 感染症内科 狩野 恵彦先生

 ・ウイルス感染と細菌感染の見分け方 

 ・薬剤耐性菌の問題 

 ・感染症の背景因子の特定

 ・感染症の治療の原則

 ・抗菌薬の種類とその選択について

 ・口腔感染症について

 ・心内膜炎の予防について

感染症専門医より、専門性の高い講義をいただきました。今後、薬剤耐性を考えた場合に、新薬の開発は今後なされず、現在ある貴重な抗菌薬の資源を有効利用し、開発世代の初期の抗菌薬より慎重に適正使用を行い、将来の人類の生命を脅かすことのないよう努力すべきと考えさせられました。

 

演題2、口腔顎顔面痛の3例、他

演者 厚生連高岡病院 歯科口腔外科 山下 知巳先生

顔面痛の臨床報告として、「左上下顎、目の奥の痛み」の原因は肺癌の多発脳転移であった症例を供覧いただきました。痛みには多様な原因があり、画像診断医師との連携が的確な診断につながったと説明されました。線維筋痛症の舌痛などの口腔症状が出現した症例を報告いただきました。とくに線維筋痛症は、器質的な変異がほとんどないために診断、治療に医師も苦慮することが多く、昨今、社会的にも認知されはじめ、口腔症状も認めることがあり歯科医師も診断時には念頭におき、疑われた場合には線維筋痛症を疑い、神経内科などに対診するべきとのことでした。ほか12歳でありながら智歯周囲炎による下顎骨骨髄炎の症例も顔面痛の一例として報告されました。部分義歯を誤飲し最終的には、無事排出された症例も追加報告いただきました。