令和5年 高岡市歯科医師会・薬剤師会 合同学術講演会

 日時 令和5年4月12日(水)19:20〜21:00
 演題 「むし歯予防のためのフッ化物応用法について」

 令和5年4月12日(水)に高岡市生涯学習センターにて開催しました。
 講師の山本武夫先生は肩書きに

・NPO法人日本フッ化物むし歯予防協会専務理事

・富山むし歯予防推進市民ネットワーク:And You(あゆ)の会代表

・南砺市歯科医師会公衆衛生担当理事 

とある通り、フッ化物によるむし歯予防に歯科医師人生をかけて、日々活動されていらっしゃいます。
 これまでに特定の地域で4歳から中学校卒業までフッ化物洗口を行うことで、むし歯の発生が60-80%予防可能であったことから、フッ化物の応用の効果が示され、全国的な普及が進められています。平成28年の富山県厚生部の資料によれば保育所から中学校におけるフッ化物洗口実施状況は、山本先生の地元の砺波地区では100%であったのに対し、高岡市ではわずか4.3%でありました。しかしその後、山本先生のご尽力の成果として、令和2年には高岡市内の全部の小学校でフッ化物洗口が開始されました。

 コロナ禍に入り、「飛沫感染が危惧されるのでは?」というご意見もありましたが、ガラガラうがいではなく、少量を口に含んで小さくすすぎ、紙コップの中に入れたティッシュペーパーに吐き出して廃棄すれば何の問題もないこと示していただきました。

 フッ化物の応用は「早期から継続して」「低濃度で、頻回に」「生涯にわたって」がキーワードとなります。フッ化物洗口のみならず、フッ素入歯磨剤、歯科医院でのフッ化物塗布、将来的には欧米のような水道水フッ素化への期待など、その効果や意義を受講した歯科医師・薬剤師間で共通認識が得られた素晴らしい講演会でした。

(高岡市歯科医師会 学術委員 牧野 明)