平成28年8月28日(日)に第27回歯科保健ボランティア事業を開催しました。
 当事業は市・高齢介護課より委託を受け、年2回高岡市歯科医師会文化厚生委員会と公衆衛生委員会の共同事業として高岡市歯科衛生士会、富山県歯科技工士会の協力のもとに実施されており、今回で27回目になります。場所は特別養護施設「ふしき苑」にて、午前中は入所者80名中、受診希望者75名と介護スタッフを対象に4名の歯科医師による口腔内診査を基に市・歯科衛生士会、白崎支部長以下8名による歯磨きや義歯の洗浄の仕方などの口腔衛生指導を行いました。また今回は唾液の分泌が少ないことで起こる口腔乾燥症になりそうな受診者が多く見られたので、唾液分泌を促すマッサージも行いました。口の中がきれいに清掃され、さっぱりと気持ち良さそうな入所者の笑顔が印象的でした。

 午後は、2名の歯科医師と富山県歯科技工士会の黒田会長以下12名の歯科技工士による希望者27名54床の義歯に紛失防止のネーム入れと洗浄を行いました。このボランティアは、こすっても取れない名前が義歯に入る事で誰の義歯か一目でわかると介護スタッフから好評な事業です。そして入所者の方も、きれいになった自分の義歯を見て大変喜んでおられました。また、当日は北日本新聞社と富山新聞社より取材を受け、その模様は後日紙面掲載されました。このボランティア事業は高岡市歯科医師会で14年目を迎える事業で、市内の老人施設でも好評いただいています。これからも、施設の入所者や介護スタッフの皆さんに喜んで貰える様に歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士による三位一体の歯科保健ボランティアを皆さんからの要望がある限り続けていきたいと考えています。

 最後に、このボランティア事業を始めた頃よりも多数歯が健在な入所者数が年々増加しています。これは8020運動などにより、社会全体に予防歯科の重要性が浸透してきたからと思われ、大変喜ばしいことなのですが、それと同時に残存歯へのさらに複雑な口腔ケアが必要となってきていますので、我々歯科医療従事者も、入所者や介護スタッフの皆さんに、いかに分かり易く、簡単に確実に指導するかを、もっと考えていきたいと思います。

会報:中川